バッテリー上がりでしばしば応急処置方法として利用されるジャンプスタートですが、つなぎ方を間違えるとバッテリーをショートさせてしまったり、最悪の場合は車を動かせなくなることがあります。
バッテリー上がりで起きてしまった車のトラブルは車両保険を利用することは難しく、電源系統が故障してしまうとバッテリー上がりを解決する費用よりも大幅にかかってしまうこともあります。
ここでは、そんなトラブルを未然に防ぐために、ジャンプスタートの際に利用するブースタケーブルをつなげる際にやってはいけないことを解説していきます。
是非、ジャンプスタートを行う際の参考にしていただければと思います。
バッテリー上がりの際のつなぎ方、コレって間違い?
バッテリーが上がった際、車同士をつなげて電力を分けてもらう「ジャンプスタート」を行うことが主な方法とされていますが、ブースターケーブルのつなぎ方を間違えるとバッテリー上がりを解消できないばかりか、車が故障してしまうこともあります。
ここでは、ブースターケーブルを繋げる際にやってはいけないこと、その理由について解説していきます。
NG①救援車にハイブリット車を使う
救援車にハイブリット車を使うと、救援したハイブリッド車が故障してしまうため、多くの車メーカーで禁止されています。
その理由は、ガソリン車とハイブリッド車ではカーバッテリーの種類もケーブルなども大きく異なるだけでなく、エンジンを始動させる手順もまるで違うからです。
車種 | 搭載されているバッテリー | エンジン始動の仕方 |
ガソリン車 | 駆動用バッテリー | エンジン始動時に駆動用バッテリーから電力を供給してもらう |
ハイブリット車 |
駆動用バッテリー 補機用バッテリー |
|
駆動用バッテリーは200vほどの高電圧であるのに対し、補機用バッテリーは12v程度しかありません。
そのため、ハイブリッド車とエンジン車を繋ぐとこのようなことが起こります。
但し、ガソリン車からハイブリッド車へバッテリー電力を供給してもらう方法はOKとされています。
なぜなら、ハイブリッド車がエンジンを始動してもガソリン車へ流れる電力は耐えられるほどの電力であるからです。
【関連記事】「ハイブリッド車のバッテリー上がり対処法」
2030年ごろにはもうガソリン車は販売されなくなる?
CO2の削減、環境保全の観点から、近年世界的にガソリン車の販売台数を減らしている現状があります。
2020年に日本政府が発表した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、
遅くとも2030年代半ばまでに、乗用車新車販売で電動車100%を実現できるよう包括的な措置を講じる。
と発表されています。
すぐには、ガソリン車の製造が廃止にはされないものの、2035年ごろを目途に新車のガソリン車の製造が廃止される動きがあります。
所有する上では現時点では問題ないものの、税金の面や維持費の観点からガソリン車に乗るメリットはだんだんと薄くなる可能性があります。
バッテリー上がりの応急処置として利用されていたジャンプスタートもいずれ、しにくくなる可能性があり、車に乗っている人は万が一のために専用の充電バッテリーを載せておく必要があるかもしれませんね。
【関連記事】「バッテリー上がりに使うジャンプスターターとは?使い方や3つのおすすめ充電器をご紹介!」
NG②ブースターケーブルの黒い端子(-端子)からつなげる
ブースターケーブルを繋げる際は、赤い端子(+端子)からつなげるようにしましょう。
ブースターケーブルを繋げるときに赤い端子から繋ぐ必要があるのは、車の電気回路に沿って接続するようにする必要があるからです。
車の電気回路はプラス側から電力供給され、マイナス側へと放出された電力が戻ってきます。
つまり、接続するということは、電力を供給してもらうことなので、プラス端子から接続する必要があるのです。
逆に外す際は、マイナス端子(黒い端子)から外すようにしましょう。
車には常時マイナスの電気が流れており、外す際に電気がまだ残っているプラス端子から外すと車体に触れたり、工具に触れてしまうとスパークを起こす可能性があります。
マイナス端子から外すことで、車体の電気回路のプラス→マイナスの流れを止めることができます。
そのため、車体との電気回路を切断するためにもマイナス端子から外す必要があるのです。
まとめ
- 接続するときはプラス端子(赤い端子)
- 外すときはマイナス端子(黒い端子)
【関連記事】「説明通りでもバッテリー上がりが充電できない原因はブースターケーブルのつなぎ方が違う?」
NG③救援車の電圧が違うけどつなぐ
トラックのような大型車両に搭載されているバッテリーの多くは24Vの電圧となっており、乗用車などの普通車両は12Vのバッテリーが搭載されています。
そのため、乗用車を救援車にしてトラックのバッテリー上がりを直そうとすると、乗用車側のバッテリーが故障してしまう恐れがあります。
逆に、トラックを救援車にして乗用車のバッテリー上がりを解決しようとしてもエンジンがかからなかったり、電圧の弱い乗用車のバッテリーを傷めてしまう恐れがあります。
救援車同士は同じ電圧で行うようにしましょう。
バッテリー上がりの際にブースターケーブルのつなぎ方を間違えないようにするには?
バッテリー上がりのときに行うジャンプスタートでNGなことを解説していきました。
正しく接続するときのポイント
- 救援車はガソリン車を使用する
- 接続するときは赤い端子から、外すときは黒い端子から
- 同じ電圧同士の車をつなげる
ジャンプスタートは、手順さえ間違えなければ誰でも行うことができる応急処置方法です。
ですが、言い換えれば手順を間違えると車を故障させてしまうリスクがあるということです。
最悪の場合、バッテリーとの接続方法を間違えて車から火花が出て引火し、車自体が炎上してしまうこともあります。
初めて行う際は、我流で行うのではなくまずはプロの手を借りることで覚えるのも一つの手です。
ブースターケーブルのつなぎ方を間違えるのが不安なら専門業者に依頼しよう
簡単だけども簡単じゃないジャンピングスタート。
初めてバッテリーが上がってしまった方にとっては、どうすればいいのかパニックになってしまうこともあるかもしれません。
「自分ではジャンプスタートをすることが不安…」
そんな方は、バッテリー上がりを解決してくれる専門業者に依頼することをおすすめします。
JAFや損保保険のように会費を支払うことで、バッテリー上がりや車の修理を無料で行ってもらうことができます。
費用は掛かるものの、プロの目線から車を修理してもらえるだけでなく、今後車を使用する上で注意すべきことなども教えてもらえます。
JAFをはじめ、バッテリー上がりを解決してくれる業者はたくさんあるものの、費用を考えると自分でジャンプスタートを行いたいかもしれません。
ですが、プロが行うジャンプスタートを間近で見ることができる機会であり、何より正しい接続方法を知ることができるチャンスでもあります。
自分でジャンプスタートを行うことが不安な方は、是非専門業者に依頼することも検討してみましょう。
【関連記事】「バッテリー上がりの業者はどれを選ぶべき?目的別に合わせて分かりやすく解説!」
まとめ
今回は、バッテリー上がりの際のつなぎ方について間違うとどうなるのか、NGな方法について解説していきました。
ジャンピングスタートは、バッテリー上がりを早急に解消することができる応急処置方法ですが、その方法には制限があります。
便利な方法ですが、今一度どういったリスクがあるのかを知った上で活用していきたいものですね。
【バッテリーサービスセンター】では、自分でジャンプスタートをすることが難しい方など、バッテリー上がりに関するお困りごとにお応えしております。
是非、バッテリー上がりでお困りの際はお気軽にお問い合わせください。