「手順通りにバッテリー上がりを治したのにエンジンがかからない」と困ってしまったことがあるのではないでしょうか。
説明通りでもバッテリー上がりが解消されない原因は、ブースターケーブルのつなぎ方が間違っていたり、バッテリーではなく、オルタネーターやエンジン起動装置の部分が故障している可能性があります。
むやみにジャンプスタートを行うと、様々な電気系統がショートしてしまう可能性もあるため、ジャンプスタートを行う際は慎重に行わないければいけません。
ここでは、説明通りにバッテリー上がりを解消したつもりが、一向に治らない原因や対処方法について解説していきます。
是非、バッテリー上がりを治してもエンジンがかからないときの参考にしていただければと思います。
説明通りでもバッテリー上がりが直らない・充電できない原因
説明通りにバッテリー上がりを改善しようとしても一向に治らないときがあります。
ここでは、なかなか治らない原因について解説していきます。
ケーブルのつなぎ方が間違っている
「バッテリーが上がっていたからもう一台(救援車)を使ってジャンプスタートをしよう」と、持っているブースターケーブルで接続したときにケーブルの繋ぎ方が違うと、ジャンプスタートをしてもバッテリー上がりが改善されないことがあります。
ブースターケーブルの繋ぎ方を間違えてしまうと、バッテリー上がりが改善されないだけでなく、最悪の場合、車が故障してしまうことがあります。
ここで、ブースターケーブルを使ってジャンプスタートを行う方法を一度おさらいしてみましょう。
≪ブースターケーブルを使ったバッテリー上がり解決方法≫
- 故障車のバッテリーのプラス端子に赤いケーブルをつなげる
- 救援車のバッテリーのプラス端子に赤いケーブルをつなげる
- 救援車のバッテリーの-端子に黒いケーブルをつなげる
- 故障車のエンジンブロックなどの金属部もしくはバッテリーの-端子に黒いケーブルをつなげる
- つなぎ終ったことを確認し、救援車のエンジンのみを始動して5分ほど待つ
ブースターケーブルの外し方については、4→3→2→1の順に解除していきます。
※救援車はハイブリット車でないものを選ぶ
※車種に必要な電流量を流せるケーブルを選ぶ
通常のバッテリー上がりであれば、上記のような応急処置で走ることができます。
もし、上記の手順で間違っているところがあれば、ブースターケーブルを間違えて接続していることでバッテリー上がりが解消しない可能性があります。
ブースターケーブルの逆接続は危険!
バッテリーの端子とケーブルを逆につないでしまうと、膨大な電力が車全体を通り、様々な電気機器をショートさせてしまう危険性があります。
例えば、ヒューズが切れてしまう、オルタネーターの発電部分がショートしてしまう、最悪の場合、膨大な電力により火花が発生し、ガソリンに引火して炎が出ることもあります。
ブースターケーブルの逆接続を起こさないようにするためには、
- ブースターケーブルの接続を再確認する
- 逆接続保護機能があるジャンプスターターを使う
の対策を行うようにすると良いでしょう。
ブースターケーブルを使ってジャンプスタートを行うときの応急処置方法については、『誰でも対処できる!バッテリー上がりの応急処置はむずかしくない』を参考にしていただければと思います。
どうしてもバッテリー上がりが直らない・充電できない場合の対処方法
「ブースターケーブルの接続は合っているのにバッテリー上がりが治らない…」と、どうしてもバッテリー上がりが治らない場合は下記の方法を試してみてください。
必殺「押しがけ」を試す
「押しがけ」とは、MT車でのみ使うことが可能なバッテリー上がりを対処する方法です。
セルモーターを回しながら後ろから人力で車を押してもらうことから「押しがけ」という名前がつけられました。
押しがけのやり方
- 運転手が運転席にのり、イグニッションキーをオンにする
- シフトをNに入れる
- 車体を後ろから押してもらう
- 人が歩くほどのスピードになったらシフトを2速(道によっては3速か4速にする)にする
- クラッチを繋ぐ
このような手順でエンジンを始動させることが可能です。
上記の方法では、同乗者ら人手が必要な方法なので一人では難しいかもしれません。
一人で行う場合は、下り坂を降りる力を利用すると押しがけを成功させやすくなります。
下記の動画では、下り坂を使った一人でもできる押しがけ方法をご紹介していますので、是非参考にしてみてください。
昔はよくやった押しがけも現在の車ではできない?
押しがけでバッテリー上がりを解消する方法は多くのメーカーで安全上の観点から原則禁止とされており、現在販売されている車の多くは押しがけができないような設計となっています。
また、現在流通している車の多くは、AT車をはじめコンピューターで制御されているものが主流となっているため、理論上押しがけをすることは不可能となっています。
但し、起動装置が古い車、クラッチスタートができるMT車であれば現在でも押しがけを行うことが可能とされています。
MT車でこうした自動車をお持ちの方は、応急処置の一つとして覚えておくと役立つのではないかと思います。
バッテリー上がりが治らないのは他の部分が故障しているかも?
バッテリー上がりが治らない原因は、バッテリー以外の部分が故障している可能性があります。
バッテリー以外の部分に不具合がある原因として考えられるのが、
- オルタネーターの故障
- ガス欠
- 燃料の供給部分の故障
などとなります。
バッテリー上がりでエンジンはかからないのに電気系統がつくという場合は、上記の不具合を疑った方がいいかもしれません。
原因や対処方法については、『突然、車のバッテリー上がりに!原因不明でも適切に対処する方法』をご覧ください。
他にも様々な要因でバッテリーが上がってしまっている可能性がありますので、是非『車のバッテリー上がりの原因と症状を確認して適切に対処する方法!予防法も合わせて解説!』も参考にしていただければと思います。
ロードサービスを利用しよう
ジャンプスタートをしてもバッテリー上がりが改善されない場合はロードサービスを利用するようにしましょう。
ロードサービスは、お出かけしたときや自宅で車が動かなくなった際、近くに整備工場やガソリンスタンドといった車の不具合を見てもらえるところが見つからないときにとても便利です。
なにより即日で対応してもらえるところが多いというメリットがあります。
JAFのように年会費を支払ってバッテリー上がりなどの修理を無料で何度も利用することができるものもあれば、自動車保険の特典としてロードサービスを利用することができる方法があります。
いずれも万が一に備えてロードサービスを利用できるようにしておくと、遠出したときにバッテリーが上がって車が動かせなくなったときに安心です。
まとめ
今回は、手順通りにバッテリー上がりを治したはずなのに直らない原因や対処方法について解説していきました。
バッテリー上がりは車を運転していれば、いつでも起こり得る可能性があるトラブルです。
一方で、どういったことが原因なのかが特定しづらいことで解決しにくいトラブルでもあります。
応急処置方法を知っておくだけでも万が一のときに安心ですが、それでも直らないときはプロの力を借りる方が賢明です。
「バッテリーサービスセンター」でも、バッテリーに関する様々なトラブルを即日対応で受け付けております。
万が一のとき、お困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。